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【コラム】マンションの遮音規定と無垢フローリングのある暮らし。

アウトレット無垢フローリング

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【コラム】マンションの遮音規定と無垢フローリングのある暮らし。

2015.7.18

投稿:やまもとふみこ

 

わたしたちが行うフローリングの工事では、家全体のフルリノベーションから個室一部屋のちょこっとリフォームまで、その全てを無垢フローリング張りで施工をしています。

これまでにマンション、戸建に限らず多くの現場にて施工をさせて頂いてきたお問合せでは

 

「 防音規定のあるマンションに住んでいるのですが、無垢のフローリングに憧れているんです。フローリングを無垢に張り替える事は出来ますか? 」

 

と言った、ご質問を頂く事がよくあります。

 

ここではマンションでの暮らしに無垢フローリングを取り入れたい!と思っていらっしゃる方へ、マンションでの無垢フローリングの施工について詳しくご紹介したいと思います。

 

まずは最初に一つ質問

いまお住まいのマンションの床はどの様な踏み心地ですか?

 

1.歩くと凹むふかふかとしたフローリングが張ってある

2.絨毯が敷いてある

3.フローリングが張ってあるけれど、特にふかふかはしていない。

 

マンションだとこの三つの内どれかだと思います。

1.2の場合、築年数を経ているマンションで多くみられる床の仕上げ方法で、マンションの構造体となる コンクリートスラブ に直接防音フローリングや絨毯が貼ってあり

3.は 乾式二重床 と言う床下地の上にフローリングが張られている可能性が高いでしょう。

 

どちらも現地調査の際に確認を致しますが、ご自身でも出来る簡単なチェック方法をお教えいたします。

 

 

 

一番簡単なのは床下の点検口を開けてみる事。

乾式二重床  の場合にはコンクリートスラブと床の仕上げの間に空間があり点検口が設けられている事から、給水・給湯の配管や電気配線、ガス管などが通っている床下を覗く事ができ支持脚の有無で乾式二重床か否かの確認ができます。

反対にコンクリートスラブに直接ふかふかしたフローリングや絨毯が張られている床の場合には点検口を設ける事ができないので、まずは床下の点検口の有り無しの確認、点検口があれば床下を覗いて見ると分かりやすいです。

横浜無垢フローリング施工専門店

一般的には、上の点検口の写真をみると分かる通り、躯体となる コンクリートスラブ の上に支持脚と言う束(つか)を立て、底上げをした二重床の上にフローリングを張る事でマンションの防音規定を満たす防音性能を保持しています。床の衝撃音などは二重床で吸収される仕組みになっているので、床の仕上げ材は自由に選ぶことが出来るという訳です。

 

ココからは実例を交えてご紹介。

横浜無垢フローリング施工専門店

 

加藤大工が工事をしているのは、マンションの一室。

張っているフローリングはチークの無垢フローリングです。 まだフローリングを張っていない箇所に合板のべニアが見えているのがお分かりになりますでしょうか?

見えているべニアは新しく作った床です。以下では分かりやすく図でご説明しましょう。

 

横浜無垢フローリング施工専門店

 

この様に、マンションの躯体となる床(コンクリートスラブ)の上に作った床を 乾式二重床 と言います。

図からも分かる様に、既存の床からゴムの付いた支持脚を立てることでフローリングへの衝撃や響く音を吸収し低減する仕組みです。

 

マンションの防音性能表示にはこれまで推定L等級(LL-45)が使われてきましたが2008年より新しい表示ΔL(デルタエル)等級値へと移行しました。

従来の表示でのLL-45は、新表示の ΔL(デルタエル)4等級 に相当していますが、まだ一般的に認知されておらずマンションの管理組合での規定も推定L値のままになっている所が多くあるようです。

 

現在の所、一般的に販売されているゴム製の遮音マットを使用しての上張りや、既存の防音フローリングの上に直張りをする事ではΔL(デルタエル)等級での防音規定をクリアする事ができないので、マンションでの無垢フローリング張り工事では、乾式二重床を施工した上で無垢フローリングを張る事が絶対に必要になります。

 

では、無垢フローリングを張る為に、乾式二重床のシステムフロアを施工する場合のメリットとデメリットも併せてお知らせしましょう。

 

 乾式二重床のメリット +

・ 床下で防音性能を保持するので、好きなフローリング材を自由に選ぶことが出来る。

・ 床とスラブの間に空気の層が出来るので底冷えを防ぐことが出来る

 

+ 乾式二重床のデメリット +

・ 床が上がる分天井高が低くなるので、掃き出し窓などに段差が生じる。

・ 施工費が高くなる

 

大まかにそれぞれ二つづつ書き出してみました。

 

防音の為の乾式二重床システムフロアですが、実はスラブと床の間の空気層が出来ることで底冷えを防ぎ床からのヒヤッとした冷気を低減する事が出来るという大きなメリットがあります。

パインや杉などの比較的軽くて柔らかい樹種の無垢フローリングを選ぶと、床暖房を使わなくとも足元が暖かく過ごす事が出来ます。

また、乾式二重床を敷く事で、無垢フローリングに限らず張れる素材の幅が広がるのもインテリアにこだわりたい方にとっては大きなメリットと言えると思います。

 

 

反対に大きなデメリットとしては、やはり床を上げる分天井が低くなる事。

スラブから乾式二重床を作る場合

 

鋼性パイプボルト支持脚 74mm   (現場の状況により高さが変わることがあります)

パーティクルボード 23mm

合板   9mm

無垢フローリング 15mm

 

を重ねる事で、乾式二重床 の厚みはスラブから 121mm になります。

それにより天井高が低くなると共に掃き出し窓や隣接する部屋との間に段差が生じる事になります。

実例を挙げて紹介してみましょう。

 

横浜無垢フローリング施工専門店

 

 

写真の約20畳のリビングダイニングは乾式二重床を敷いた上にチークの無垢フローリングの施工事例です。

元は全部屋コンクリートスラブの上に直接絨毯、またはクッションフロア敷きだったので、隣接する和室とキッチン、奥のリビングドアから繋がる廊下との間に段差が生じました。

隣接するクッションフロア敷きのキッチンや和室、廊下から比べてリビングダイニングの床高は、鋼性パイプボルト支持脚 74mm パーティクルボード20mm   合板9mm     無垢フローリング15mm で合計121mm ( 12.1cm ) 床が高くなりました。

 

横浜無垢フローリング施工専門店

 

クッションフロアが張ってあるキッチン側から見た段差です。

框と呼ばれる見切り材を取り付ける前なので、パーティクルボードと合板、無垢フローリングが重なっている断面が見えています。

横浜無垢フローリング施工専門店

同様に廊下部分。

昨今の住宅においてはバリアフリー化が進んでいることから、室内の段差はあまり設たくないとのお考えも多いのですが

段差が出来る事で自然なゾーニングや、空間にメリハリができ、デザイン性を重視される方にはデメリットと感じられない方も多いように思われます。

 

横浜無垢フローリング施工専門店

 

最後にリビングに隣接した、襖で仕切っている和室部分です。

襖の敷居をリビング側のフローリングの高さに合わせるため、既存の敷居を取り外し高さを変えて再利用しました。

横浜無垢フローリング施工専門店

襖の下部のレールとなる 敷居 があがった分、対をなす上部の 鴨居 の高さも同様に高さを変更します。

写真で見ると、鴨居が接している柱に接ぎ木がしてあり、長さが延長されている事が分かります。

 

乾式二重床を施工する事により部材の費用、作業費用が上がる事はもちろんなのですが、施工後の床の高さが上がると言う事は、ただ単純に天井が低くなるだけではなく、元の高さと隣接する箇所の納まり方が複雑になると言う事になるので、

納まり方が複雑になればなるほど、作業者の手間がかかり工事費が上がっていく傾向にあります。

見積もりや現地での打ち合わせの際には、施工業者とよく話し合い、どの様な施工がなされるのかを確認しておくのも大切な作業です。

 

以上でマンションの遮音規定をクリアしつつ、無垢フローリングを施工する為の方法をご紹介しました。

ココからはマンションでの暮らしに実際に無垢フローリングを取り入れた方の実例をご紹介しましょう。

 

No.1 クリの着色無垢フローリング

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既存の状態で乾式二重床が施行されていたため、全面無垢フローリングの上張り施工を致しました。

マンションでよく見かける間取りである、リビングに併設された和室もフローリング張りに変更。元の和室の名残りである障子がクリの無垢フローリングの風合いとよく似合い、少し和のテイストを感じさせるモダンな部屋になりました。

来客時に寝室にご利用頂ける様に設けた四枚引き戸で独立した一部屋をつくる事が出来ます。

使用した無垢フローリングはクリの無垢フローリングを少しだけ濃い色に着色してあります。

一枚目のbefore写真と比べると、床からの照り返しの光が無くなり、部屋全体がとても優しい印象になりました。

 

No.2 レッドオークの幅広無垢フローリング

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淡い黄褐色の辺材と、ピンク帯びた紅褐色の心材のコントラストが綺麗なレッドオークは、木目がハッキリしている事からやや男性的な印象を受けます。

また、通常無垢フローリングでは1本の幅が90mmの物が主流ですが、こちらで使用したフローリングの幅は130mmの幅広タイプ。

その為、よりレッドオークの木目が際立ち、無機質になりがちなマンションの印象とは一味違った味わいの深いインテリアが実現しました。

お引越し後の完成されたインテリアは、お施主様が選ぶもの一つ一つがこだわりを持って集められたのだと言う事がよくわかる、素敵な室内。

そのこだわりの中に、レッドオークの幅広フローリングが自然に馴染んでずっと前から完成されていた部屋の様な印象を受けました。

 

 

No.3 ミャンマーチークの無垢フローリング

 

横浜無垢フローリング施工専門店

 

 

 

世界三大銘木の一つであり、無垢の中でも高級材とされるチーク。

中でもミャンマーで育ったチークは製材する為植林され伐採される30年前後の若いチークとは違い自然の中で育った樹齢100年以上の物を使用して作られています。

その為木目の均一で美しい色合いや、目の詰まった重厚感ある質感から、家具やインテリアに強いこだわりをお持ちの方によくセレクトされる人気の樹種でもあります。

こちらの事例でも、チークの無垢フローリングに合せてセレクトされたこだわりの家具や、寝室を仕切る為にこだわって作られた3枚引き戸など、お施主様の希望を

贅沢に盛り込んだ素敵なインテリアが実現しました。

 

No.4 杉の無垢フローリング

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日本人には馴染の深い樹種である杉は、内部に空気層を多く含む事から、冬には柔らかな温かみが感じられ、また湿度の高くなる夏にもサラッとした

触感がとても魅力的です。

長く使い込むほどに、飴色に変化していく色合いも是非お楽しみいただき、長く風合いをお楽しみいただきたい樹種でもあります。

リフォームのきっかけになった旅行先の宿で使用されていた杉の無垢フローリングに魅せられ、自宅でのあの心地よさを。とお選びいただいた

杉の無垢フローリングとの暮らしを、日々大満足でお楽しみ頂けている様です。

 

No.5 チークヘリンボーンの無垢フローリング

横浜無垢フローリング施工専門店

 

最後は少し変わった張り方をしたチークの無垢フローリング。 幅60mm長さ420mmの細いフローリング材を網代に張り込んで行く無垢フローリングの張り方を

ヘリンボーン(ニシンの骨)張りと呼びます。

通常の無垢フローリング張りよりも手間が掛かり、施工も熟練の大工でないと行えない難しいものですが、張りあがった木目の美しさに魅了される方も多くいらっしゃいます。

デザインやインテリアにこだわりの強いご夫婦からの、無垢フローリングを張るならヘリンボーンに とのご希望を頂き実現した、チークのヘリンボーンフローリング。

上品で、クラシカルなイメージのチーク無垢フローリングに、モダンなデザインの家具がとても良く似合っておりました。

 

 

 

最後に。

マンションのようにたくさんの方が暮らされている集合住宅に住まう際には、下階や近隣への防音は当然のマナーです。

無垢フローリングのイメージとして、「遮音性能が無い」 「マンションには張る事ができない」 と思われていらっしゃる方も多くいらっしゃいますが、

無垢フローリングを張る事で生じるメリットデメリットをよく理解した上で、無垢フローリングにする為の施工方法を学び、ご自身の暮らし方に合せて、素材や工法を選択し、リフォーム後の暮らしを気持ちよく快適に何よりも自分らしく、毎日を楽しく過ごせるような家作りをする事が大切だと思います。

長い文章になりましたが、こちらの記事をご参考に、一人でも多くの方に無垢フローリングとの暮らしを実現して頂ければ嬉しいです。

お付き合い頂きありがとうございました。

 

 

 

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